番外編 F21Mのクランクケース分割

GWの昼下がり、ぼんず山さんが持ってきたカワサキF21Mってバイクのクランクケース。
ステルス戦闘機みたいで、とってもかっこいい名前です。
調べてみると、カワサキ初市販モトクロッサー。

60年代後半に全日本3連覇とか、色々素晴らしい実績ありのバイク。
オンエニィーサンデーに出てきたような、モトクロッサーです。


プラプラと普通に持ってきましたが、これって超貴重品では。


昔のエンジンにしては、凄くコンパクトなクランクケースです。


サービスマニュアル、パーツリスト等は無いので慎重に作業しました。
基本的に知恵熱が出るような難解な仕組みは無く、クランクセパレーターで普通に分割することが出来ました。
ただ、右ベアリング(ロータリーディスクバルブ側)がクランク軸から抜けなくて、ケース側から先に抜けてしまい、ベアリングのストッパープレートがぐんにゃり曲がってしまいました。
まあ、何とかなりそうな曲がりでしたが。


写真撮るのを忘れたので、細かいトコに興味のある方はリンクの「ぼんず山通信」から見てください。


=ばらしてて変わってるなぁと思った事=
・クランクウェブ、キャブ側がテーパー形状。これはロータリーディスクバルブの為なのかな?
・クランク左右のオイルシールが付いてる所がカバー上になっており、プラスねじで外せる。
普通は一体成型ですよね。これはバイソンとかも同じ造りみたいです。
こういう造りになってるのって初めて見ました。
・シフトシャフトが抜けない。何かあるらしくすぽっと抜けません。
・掃気ポート部分、小さいなぁ。RMXの半分以下の大きさです。
・クランクベアリングのオイルラインが変わってる。
最近?の2ストだとクランクベアリング直上に穴開いてて、そこから潤滑ってパターンが殆どですが、F21Mは1回オイルシール側(外側)を経由するラインになってます。
ちょっと遠回りしてから潤滑。
それとオイルラインの穴、とっても小さかったです。
何か意味があるのでしょう。一次圧縮命の設計?
・どーでもいい所ですが、ミッションが4速。エンジンをコンパクトにする為?


2ストエンジンって基本的な部分は昔から変わらなないのが、よく判った一日でした。
分解面白かったですよ、ぼんず山さん。