今更気付いたんだけど、シリンダーヘッドだけで冷却経路が完結してるのね、このバイク。
ヘッド内の形状により、後ろから来た冷たい水がシリンダーを廻って上に抜けるみたいなイメージ重視な設計ですが・・・シリンダーウォータージャケット内はかなりゆるぅ~い水の流れだと思われますし、肝心要の排気ポート周りを冷やそうという気概が全く感じられない吸気側からINな造り。
戦前のベントレーみたいな冷却システムですがオーバーヒートの記憶も無いんで、この程度の馬力だとコレで良かった平和な時代。
水冷黎明期のバイクなんで、抜き方間違えると大惨事世界大戦。
それでなくてもクーラントが各部に残留してしまう設計。
北海道仕様には初期型から入っていたという噂のサーモスタッド。
今も新品でますが1万円チョイもします。
スプリングが販売終了みたいですが、コレって居るのかな?と常日頃の疑問。
横にOリングでも入れときゃまぁまぁ大体で良いんでないの?
液体ガスケットがべっとり塗布されてます。
レイバンさん、ちょっと塗りすぎです。
ヘッド側に張り付いておりまして、剥がすのに中々どうして難儀しました。
高級液体ガスケットっぽい。
折角の機会なんで、ケース内を混合ガスで洗ったり、ピストンを掃除しますか。
あ、コレ組み直してるね。
純正0,25オーバーサイズピストンが入ってました。
焼き付いたのかな?
ベースガスケットの張り付き具合といい、純正オーバーサイズピストンが使い込まれる感じといい、20世紀に行われた修理でしょう。
ヘッド周りだけ何らかの理由で外した→ガスケット再利用した→クーラント漏れた→液体ガスケット塗ったって鑑識結果。
左ピストンヘッドのカーボンを落とした図。
カーボンの質が硬い=相当濃かったんでしょうね。
勿論、右もやりました。
話はズレますが、まぁ昨今のバカみたいにボーリングする風潮、アレ良くないね。
まぁレストア屋さんの養分ではありますが、削ったら元に戻りません。
多少ガバマンでも乗れるし、スッカスカ(圧縮6k以下)になってからでも遅くはないよボーリング。
オッサンになると故障に臆病になるのは良く判りますが、いきなりボカンといくのは別問題です。
徐々に壊れてるサインは必ず発してますので、それに気付く感性が必要。
最近音が変わったとか、煙が多くなったかな?とかそういうトコ。
高級ステイタスシンボルなヒストリックバイクに乗ってるのであれば、始動しないとか、エンストするとかになる前に是非感性を磨いてメンテしましょう。
20世紀に行われた修理で、左シリンダーベースガスケットの向き(裏表)が逆組みという重大インシデント。
コレで凄く不調になるとか無いかなぁ~とは思いますが、主掃気ポートの一部を塞いでるのは良くないです。
スッポンポンなピストンの保護は油まみれの軍手で。
私のビンテージスタイルでは、コレが一番。
ヘッドの冷却経路にある2種類の紙ガスケット、当時の黒ガスケットが完全に密着しており難易度マックス。
このネチネチした手応えの当時物黒ガスケット、貼り付きパネェーっす。
という事は、開けた形跡が無いケースカバーG/Kもネチネチ黒なのか・・・何も起こらない事を祈ります。
ベースG/Kは今時のペリっと剥がれるガスケットに変更されてます。次弄る人、楽ですよ。
ヘッドガスケットは昔と同じ3枚重ね、昔のままです。
間のアルミ板を抜いて上下の黒い部分だけ使って圧縮アップとかやったなぁ~何も体感出来なかったけど、充実感はあったアノ頃。
コレでMC21に勝てるとか思ってたんだから、アホですよね。
後ろのホース部分のガスケットはV型TZR250Rのどっかと共通部品。
シーラントが塗ってある側を下向きにして組んでみました。
理由?外した時にホース側に張り付いてたから。
そんなかんだでココまで組んでゲームオーバー。
水回りやマフラーは明日。