7型イレ クラッチ周り一式交換

燃調キット投入+2次減速比を純正レベルに下げた7型イレ、すっかりご機嫌な乗り物になりました。

アイドリングの「パン、パン、パン」って止まりそうな焼玉エンジン的サウンドが昨今聞かないサウンド、この瞬間がハスラーだね♡

 

で、焼玉アイドリングを堪能しておりますと、

「ゴッガゥガガッガッゥッガ」

と今にもエンジン内から何かが飛び出してきそうな音がします。

アイドリングを落とすと顕著になり、2千回転位回ってたら音は消え、クラッチ握っても音が消えます。

 

クラッチ切る=異音消える→大体クラッチの問題。

クラッチ切って消えない=ミッションやクランク

という単細胞なトラブルシューティングを聞かされて早30年。

だがしかし、ほぼ100%正解。

こればかりはダイアグやらコンピューターには判断出来ない伝承の技。

 

湿式クラッチって、異音はともかくシフトフィーリングにも多大な影響を与えます。

シフトフィールが悪いとか、ニュートラ入り難いとかは大抵クラッチ

オイルを高性能なヤツにしても改善しますが、ちょびっと劣化しただけで元の木阿弥、所詮対症療法。

大体、伝説のオイル入れたらシフトフィーリングが凄く良くなった=そのオイル、クラッチ周りに何やってんだ?という話。

G1やエクスターで駄目なら、ケースカバー開けて点検しろ!ディスクとプレート交換しろ!って事。

4サイクルの場合、油温やら粘度によるフリクションロスやらブローバイやらシリンダー潤滑やら色々絡んでくるんで、使用状況によって純正オイルでOKとも言い切れない=だから4サイクルって嫌い。

ひとつのオイルで色々仕事させすぎ、要働き方改革

ポンコツ化するとホントメンドクサイから、4サイクルって。

 

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ぱっと見、まぁまぁの段付き摩耗位しか異変無し。

割れてるとか折れてるとか期待してたんだけどね、残念。

それ位のャバィ異音でした。

で、暫くツンツンしたりグリグリ廻してみたりガン見してみたりと色々点検してたら、異常個所発見。

↓押した

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↓引いた

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軸にガタあり。揺すると近似した音がします。

 

カウンターシャフト外径25,2mm

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クラッチハブ側(バスケット側)内径25mm

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0,1mmのガタ、おっきいね問題多いですね。

まぁどっちが減るかっていえばブッシュ側でしょう。

カウンターシャフト側は減ってる場合は焼けとか傷とか端に段差とか目視で判る事になってるハズ。

ブレーキディスクローターだってイチイチ測るより目視で一発ですよね、アレと一緒だと思う。

 

流石のスズキでも当たり前に新品部品は出ません。

さて、困ったけどコレぞ漢道、キチガイ博士の面目躍如。

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何やらワケの判らぬメモを書きなぐり、

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どこのご家庭にでもある9型の腰下をゴミ捨て場から引きずりだしてきました。

ホント、この部品取りエンジン活躍するなぁ~イレ公も9型腰下に足を向けては眠れまい。

9型の部品取りエンジン無くして、7型イレ無し。

どうもクラッチ周りに互換性バリバリ、ポテンシャルアップというか対策済み?っぽい造りとバラス前に算段、それからですよ流用って。

下調べで8割、とっかえ作業は2割ぐらいかな?手間かかるのよ、下調べが。

 

以下、左が7型で右が9型。

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スリーブは部品番号は違えど完全に一致。

 

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バスケットはギア数は一緒(暇な人は数えてちょ)、クラッチディスクとプレートは何型だろうがクワガタだろうが共通なんでハメハメスポットは一緒。

違いは、

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7型はキックギアが外れる+ブッシュ支持なのに対して、

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9型はキックギアが一体化して、軸受けはニードルベアリング化。コレ、偉大なる進化なり。

↓7型カウンターシャフト軸受け部
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↓9型カウンターシャフト軸受け部

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シャフト径は25mmで一緒、オイルライン?の穴も一緒。

多分、バスケットだけの交換でもOKだったと思うんですが、何せ9型の部品取りエンジンは5千㌔位しか使ってない極上部品取り、まるっとゴッソリ移植しました。

 

唯一、流用不可だったのがプレッシャープレート。

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当たり前ですが、プッシュロッド式とラック&ピニオン式で構造が違います。

真ん中のラック部だけ移植してやれば・・・なんて思う輩も居るでしょうが(オレがそう)

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7型の穴は細くて×。

拡大は出来るかも知れませんが、縮小は至難の業。

ケースカバーごとの流用はビジュアル系のイレ様が許してくれないし、キックスプリング取り付け部の構造が違いまして、サクっと流用ってワケにはいかないね、コレ。

 プッシュロッドの穴を塞ぐとか面倒そうだしさ。

 

7型ディスク&プレートを組んでみた状態。

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↓9型プレート&ディスクで組んだ状態

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7型はプッシュロッド式なんで、遊びが増えた=クラッチ板の厚みが増えたとご理解ください。

元々付いてたヤツも使えない程減ってるワケではありませんが、実際付けてみると一目瞭然です。

1枚単位での差なんてコンマ1mmもないかと思いますが、塵も積もれば山となると。

あ、当然オール9型でセットアップ完了でございますよ、イレ様。

 

始動してみたら異音激減、というか無音。

クラッチ握っても変化無し、最高です。

心なしか走りがスムーズになったような・・・ココはプラシーボかな?