CM50(ミニクロ) ピストン&シリンダー組立て

昨日の違和感、本当にカラッカラなんだよね。



組んだばっかり見たいな感じ。
いくらなんでも汁っ気があって良さそうなものなんですがね。
40年以上前のバイクだし、多少は溜まり醤油があるのが普通。
リングの破片は、

寸での所で御用。シリンダー外した時に取れたんでしょうね、この状況は。


ピストンは大惨事世界大戦。



ご覧の有様。
しかもスナップリングが、

変形しておりました。おかげで簡単に外せました。あぶねぇ〜。
こりゃメーカーのやる事じゃない、絶対に何物かが外した=ピストン交換した事が確定。
どうりてベースガスケットがペリッと簡単に剥がれたワケだよ、全くもうね・・・。
他にも罠が沢山ありそうな予感です。


シリンダー壁面はリング折れのダメージで、

幅5mmぐらいの凹み。結構深いので、ホーニングウェポン登場。

ドリルフルパワーで傷を消した後、

微弱回転で上下にシコシコ、手作業感溢れるクロスハッチ。シコシコってレベルじゃなくシコシコ、皆様のイメージより遥かにいやらしいレベルで速く動かしております。イク寸前みたいな。じゃないと、ナナメにはなりません。


部品番号でググるとK50と一緒みたいだね、ピストン周り。
15年ぐらい前の輸出ブーム時にアフリカ人に大人気だったKシリーズ、今現在もボコハラムの連中が愛用してたりします。
ギンギンに経済成長してるナイジェリアで人気って事は、部品供給に全く不安は無いでしょう。


手で千切った感プンプンのピストンリング、この品番でリングだけ頼もうとしても出ませんのであしからず。
もうセットでしか売りませんというスズキの意思表示、けどセットでも6,210円だからね。
折角だから全部換えちゃいましょうよ、昭和40年代じゃあるまいしさ。


老眼の方は一度デジカメ等で撮影する習慣を。

Tがトップリング、2Tがセカンドリングです。



はめ込み時にリング折れ易いですから要注意。スズキのリングって硬いよねぇ〜。
実は、このクラス(ボア40mm前後)のピストン&リング交換って最高難易度。
リングは小さいし、スナップリングも小さいし。
初めてのピストン交換はハスラー400とか強くオススメ。
デカくなればなるほど楽勝です。シリンダーは重いけどね。

スモールエンドベアリングとピストンピンもセット販売で良いと思うんだけどね。
部品名「焼きつきセット」みたいな感じで。


昔はシリンダーに沿って丸かったガスケットも、

K50と一緒の品番になりました。
付いてたガスケットは丸かったからピストン交換したのは何十年前か。




排気ポート側に合い口があってちょいと特殊なコレ系エンジン。
通常、後ろ側(第三掃気側)にあるピストンが多いです。


シリンダーボルト締め付けトルクは0,6~1,0kとプラスネジで締め付ける所(クランクケースカバーとか)と同レベル。
ピストン上下するし、圧縮漏れたらイヤだからガッチリ締め付けがちですが、ここは必ずトルクレンチで。



ウルトラ珍車とかサービスマニュアルが無いとかで締め付けトルク不明の場合、空冷原付って大体1,0kg/メートルぐらいで締めときゃ問題ないという経験論。