F9 キックアームの修理

折りたたんだ状態でプランプランなキックを何とかしようという作戦。

ロック用のボールとスプリングは純正部品が出ました。具の部分は全て販売終了。
ボールはステムのヤツと同じっぽいけど、スプリングは厄介。
ちっちゃいクセにバネレートが高いので、無くなったら代替品を探すのに苦労しそう。


早速交換して修理完了といかないのが古いバイク。
工程としては、単純に嵌め換えるダケなんですが、

何が起こったのか、引っ込んだまま出てきません。内気なヤツです。


恐らくキックアーム軸のガタを放置して、具の部分まで削れてしまい球の窪みが変形したのでしょう。
こうなるとリューターで少し削って、ちんまいタガネで切り取っての繰り返し。

被害を最小限に抑えつつ、球を救出。スプリングも削れによるバリの為中々救出困難でしたが、無事取れました。

コレだけバネが劣化するんですねぇ〜これじゃ組みなおしても無駄ですわな。
パカパカキックが開く場合、最低でもバネは新品にせねばなりませんね。


一応、ボルトが折れたキックというのもありまして、


ボルトは外しましたが、歪みが酷いので今回は下の軸受け部分が長穴になっちゃってるけど、歪みが無い付いてたキックアームを再利用する事にしました。
非常事態発生時のストックパーツとしては使えそう?ではあります。
ボスのクランプ部分、ボルトがM10P1,5という近年のバイクでは使われてないネジピッチです。
流石の航空機メーカー。


こっちのキックアームも色々あったみたいで、ボスが溶接による肉盛りで綺麗に修正してありました。
鋳物の溶接って、特殊な溶接棒が必要だったり割れやすかったりで難しいらしいよ。
特にこういう力が掛かる部位って本職の熔接屋さんでも、基本断るでしょうね。直してもまた壊れる可能性が大きいからね。

折りたたんだ時のボールの窪みが無かったので、リューターでチマチマ掘り込んだり。
球がキチンと当ってるか、光明丹なんか久しぶりに使ってみたり。開き側の窪みは確実に減っていくので、開き側が当ってりゃ十分。
逆にキチンと掘り込むと、すぐガバガバアバズレキックになっちゃうハズ。



今回、一番変えたかったのがコレ。キックのゴム。


コレだけ減ってる&ゴムが硬化してると、滑ったり踏み外したりして、踏みにくいです。
F9では、ある意味タイヤより重要?なゴムパーツではないでしょうかね。
ゴム製品は新しいに越した事ないです。
安い部品なんでスベスベキックな方は是非交換してみてください。
土踏まずに吸い付くハイグリップな感じは素敵ですよ。




車体に対しての開きもほぼ無くなり、貧弱な俺でも毎回キックがおろせるようになりました。
毎回って言っても、10回ぐらいで体力の限界です。コレは重たいなぁ〜根本的に重たいキック始動の2ストってのが、Oパーツレベルのロストテクノロジー
車でいったらクランク棒でかけるみたいな・・・どっちも下手すりゃ怪我するぞってのが漢のロマン。
始動の儀式がアステカ文明の雨乞いの儀式並みに辛いです、毎回コレを踏み込むと思うとゾッとします。
キック始動にあこがれる若人、是非挑戦してみて。
SR500とかヵワィィく感じるから。